手と手を合わせて場をつくる
〜新スタッフ募集のおしらせ〜
九州の西の端、五島列島の福江島。その小さな港町にte to ba 〈手と場〉はあります。
築140年を超える廃屋を改装し、2018年1月にカフェとしてオープンしたte to ba 〈手と場〉は、今回、事業拡大に伴い、キッチンでお料理を一緒に作ってくれるスタッフを募集しています。
te to ba 〈手と場〉がある富江町は明治時代から昭和初期にかけてカツオ漁やサンゴ漁で大変、栄えた港町です。町には全国から人々が集まり、港は隙間のないほど並ぶ船と大漁のカツオのトロ箱でごった返していたといいます。そのカツオをこの町で加工し、かつお節にするお店もずらーっと並んでいたそうです。
te to ba 〈手と場〉ができる前、ここは昭和後期まで続く一軒のかつお節屋さんでした。
その鰹節屋だった建物を改修し、現在のお店となりました。
お店の中は、五島の生産者さんが地元の食材にこだわって作ったジャムやハチミツ、かんころ餅といった加工品やハンドクラフトを販売するショップが併設されています。
カフェでは、コーヒーや紅茶などの喫茶はもちろんのことランチやスイーツも提供しています。
福江島は本土から遠く離れた離島ですが、自給自足が可能なほどに食材はバラエティに富んでいます。まさに食材の宝庫。五島の海で獲れた新鮮なアジやヒラマサ、アオリイカなどの魚介類はもちろんのこと、お米やお野菜、五島牛や五島豚といった肉類も豊富です。
ランチではそんな地元の旬の食材を使った日替わりのte to baランチやレギュラーメニューとして
五島豚の丼、スパイスの調合から手間をかけて作るカレー、ドリア、旬の果物を使ったスイーツなどを出しています。
te to ba 〈手と場〉では、冷凍食品などのレトルト食材は一切、使用しません。五島の新鮮な食材そのもののおいしさを楽しんでもらえることを一番に考えています。
その中でもランチや丼につけるかつおダシのスープはお店のアイデンティティとして大切にしています。お店で使っているかつお節は、かつてこの場所で作っていたかつお節。
というのも地元の人から「カネチさん」と親しまれたかつお節屋さんは現在、長崎に移転して商売を続けておられるのです。
その「カネチさん(カネチ本舗)」の社長さんから直々にte to ba 〈手と場〉にかつお節を置いて欲しいと申し出があり、大事に使わせていただいています。
「ここがかつてかつお節屋さんだった」という土地の歴史を物語る証として、また、ここを訪れる子どもさんたちに化学調味料ではなく、和食の基本素材のおいしさを舌で記憶してもらうツールとして。
お店を訪れるお客さんは、老若男女、多種多様です。夏場や連休は五島の観光に訪れる全国からの旅行者でお店はごった返します。
店内では、全国からセレクトした雑貨も扱っているのでそれを目当てに来る女性客や昔を懐かしがってかつお節を買いに来る近所のおばあちゃん、自習室代りに宿題をしにくる子どもたちの姿・・・。
お客さんの中には釣りを趣味にしている方もたくさんいて、釣れたばかりのアオリイカやタイ、アジといったお魚を持ってきてくれることもよくあります。
〈代表の村野麻梨絵/お店の近くの堤防で〉
代表の村野麻梨絵は、大学卒業後、東京でアパレルブランドの広報として勤務したのち、2015年に五島の地域おこし協力隊として「五島市観光物産課」に3年間、配属。
そもそも五島に移住したのは、東京でファッションショーの運営に明け暮れる多忙な日々の中、精神的に疲弊。
ふと今の仕事は「自分でなくても誰でもできる仕事なのになぜそこまで消耗しているのだろう?」と疑問を感じたこと。
島に来てからは毎朝、日の出とともに砂浜で貝殻や漂流物を拾いイヤリングやブローチなどのアクセサリーを作るようになりました。
「自然の中には何一つまったく同じモノはないんです。不揃いであるから世界で一つだけの美しいものがいっぱい」と日々、感動していたそうです。
そんなある日、朽ちかけた廃屋、現在のte to ba 〈手と場〉の建物に出会いました。
「誰もがそのまんま、自然体でほっとできる場所、旅人や地域の人のあいだに何気ない交流が生まれる居場所を作ろう」と思いました。
「恥ずかしながら五島に来て初めて太陽がどのように昇り、どのように沈んでいくかを知りました。
東京ではビルからビルに沈む太陽しか見たことがなかったので」と麻梨絵。
島に来てからは毎朝、日の出とともに砂浜で貝殻や漂流物を拾いイヤリングやブローチなどのアクセサリーを作るようになりました。
「自然の中には何一つまったく同じモノはないんです。不揃いであるから世界で一つだけの美しいものがいっぱい」と日々、感動していたそうです。
そんなある日、朽ちかけた廃屋、現在のte to ba 〈手と場〉の建物に出会いました。
「誰もがそのまんま、自然体でほっとできる場所、旅人や地域の人のあいだに何気ない交流が生まれる居場所を作ろう」と思いました。
現在のte to ba 〈手と場〉は新たな事業としてお店から歩いて30秒ほどのところにゲストハウスを作っています。
古い建物の全館をリノベーションして2階部分をプライバシーの保てるドミトリースタイルの客室と家族やカップルが泊まれる個室を作る予定です。(2020年6月現在、工事は完了。しかしコロナの影響でオープンは延期に。夏休みシーズンを目標に現在、準備中です)
ゲストハウスと並行してもう一つの事業も進めています。「Goto Wedding(五島ウェディング)」というブライダル事業です。
「五島全体を結婚式場に」というコンセプトで、島の美しいロケーションを舞台に五島の食材や資源をフル活用して挙げるオリジナル結婚式のプロデュースです。
人生のかけがえのない「ハレノヒ」を五島で過ごしてもらうことで、カップルにとっては五島をいつかまた帰ってきたい場所に、参列者の中に新たな五島のファンを作ることを目的にしています。
te to ba〈手と場〉の全体像を俯瞰してみると、現在のお店は「玄関・居間」、ゲストハウスは「寝室」、結婚式事業は、人々が集まりイベントやBBQをする「テラス」のようなイメージです。
そのように考えると「キッチン」の重要性はこれまで以上に増していきます。
今回、働いていただくことが決まった場合は、まず現在のカフェのメニューの仕込み、提供を一つ一つ覚えていただく予定です。食材の仕入れにも随行していただき、五島の食材についても見識を深めていっていただければと思います。
カフェでは、実に多くの生産者さんとの関わりがあります。
お米農家さん、トマト農家さん、漁師さん、精肉店さん、それぞれと顔の見える信頼関係を築きながら、また季節ごとの旬の食材によって提供するお料理を決めていきます。
お客さんの表情や季節ごとの客層などをじっくり観察しながら次第に新たなメニューの提案などもしていってもらえればと考えています。
また、ゆくゆくは新たに始まる結婚式事業における料理提供などもおまかせしていきたいと考えています。
te to ba 〈手と場〉には、代表の麻梨絵の他にもう一人のスタッフがいます。
この文章を執筆している梅沢圭です。2018年の6月に東京から移住し、te to ba 〈手と場〉に加わりました。
もともとは主にNHKのドキュメンタリーや紀行番組を制作するディレクターでした。
代表の麻梨絵とは、五島の紀行番組を制作した時に知り合ったのが縁です。
専門は映像制作や取材・構成・ライティングですが、ここではあまり関係ありません。
初期の頃からメニューの開発や調理、事業の計画にいたるまであらゆることを代表と二人三脚でこなしています。
離島でカフェというと、平穏なスローライフを想像されるかもしれませんが、そんなことはありません。
駅前や国道沿いのような一等地にお店があるわけでもなく、ただ良いもの、
自分たちが自信を持てるものを出しているだけではうまくいきません。
わざわざここを目指してお客さんが訪れてくれるためには何をしたらよいか?・・・その視点がここではとても大事になります。
「大半は地味な作業の積み重ねです」と麻梨絵。
「例えば、季節の旬の食材で作る保存食は欠かせません。安心安全でおいしいもの、ここにしかないものを味わって欲しいからです。
毎年6月には梅の実を2-30kg、梅醤油やシロップ、梅酒に加工。終わったかと思えば山椒の実の下処理・・・。
自然はこちらが忙しくても待ってくれません。時期を逃したり、少しでも適当なことをすると次の一年の営業に影響します。」
「また辺境の港町にある小さな港町ですから情報発信は生命線です」
新しい商品や食べ物を扱うときやイベントの案内など、発信の目的、ターゲット、内容、写真の撮り方一つ、徹底的に話し合います。小さなことをコツコツと、一見地味な仕事の中に繊細な変化や発見をすること。
嫌になることもあると思いますが、そんな時は仲間がいます。
私たちは徹底的に正直に、時に熱くなることもありますが、話し合うことを大切に考えています。
お互いを尊重しながらも不満や不安をためない。そうしないと居心地の良い場にはなりません。
お店の名前「手と場」は、「手と手を合わせて場を作る」という意味です。
それぞれのスタッフが得意なことやできることを協力しながら地域の人や旅人、また自分たちの「居場所」を作っていく。
小さな行動でも必ずお客さんの反応が得られる。それがやりがいになる。
少人数でこのような場所で事業を行うことはそういう魅力があると思います。
とくに現在は、コロナの影響で飲食店の置かれる状況は大変、厳しいものであることは間違いありません。
しかしいっぽうで、コロナがキッカケとなり、人々が都市圏に一極集中した社会の脆弱さに気づき、安全な食品へのアクセスや自然との結びつき、地方での暮らしといったものに、より本質的な関心を寄せる時代が訪れると私たちは考えています。
五島という離島から新しい時代に向けたライフスタイルや価値を提案していきたいというと思っています。
ですから新しくメンバーになられる方には、自分の領域に閉じこもることなく仲間や五島のこと、地域のことに関心を持ち、よく物事を観察し、日々の仕事を通して自分なりの答えを導き出す主体性を求めています。
不器用でも、そのような方に仲間になっていただけたらと思っています。
最後になりましたが、お店がある富江町のこと。富江町は福江港のある福江の町から車で20分ほど。
かつての賑わいはありませんが、昔ながらに手押し車で野菜を売るおばさん、小さな商店が残るどこか懐かしい港町です。人口はおよそ5000人。
お店の前は公園になっていて地域の子どもたちがはしゃぐ姿が毎日、見られます。
しかし子どもたちに将来のことを聞くと8割は「島を出たい」と答えます。理由を聞くと「ここには何もないから」と答えます。
いっぽうで最近は若い移住者も増えています(202人/2018年度)。
同じ町内で「さんごさん」という私設図書館とコーヒーショップを営む大島健太さん。
5年前に関東から移住してきました。「これといって何もないような場所だからこそ、新しい挑戦ができる町です」と大島さん。
もともと、美術畑出身の大島さんは、全国のアーティストのネットワークを使い、図書館内で絵画展を企画したり、旅人や地元の人が交流できるポットラックパーティを運営しています。
「この町から世界に誇れる文化を生み出したい。この町に来れば先端を走るアーティストや面白い人に出会える。そうやって世界から人がこの町にやってくる。そういう町を作りたい」と大島さんの志は高い。
te to ba 〈手と場〉はこういった新しい風を吹き込む大島さんや地域の人々と緩やかに連携しながら、富江や五島が子どもたちにとって「帰ってきたくなる場所」また、より多くの人が訪ねてきたくなる町を作っていけるよう成長していきたいと考えています。
一緒に手と手を合わせて場を作ってみませんか?
移住サポート
五島市への移住を考えると実際に不安になるのは、費用面。
一体全部でいくらかかるんだろう?と不安になることがあると思います。
でもまずこの求人に興味を持たれた方は、五島へ、そしてte to ba<手と場>来てみませんか?
面接時の旅費の助成や3ヶ月間の無料滞在住宅、さらに東京圏からの移住者に向けては最大100万円の支援金が支給されます。そして35歳未満の方で学生時代に奨学金を借りていた方の奨学金返済助成金まであるのです。
これだけ移住者に向けた支援制度がある自治体は全国的にも少なくそのおかげで移住者も増えています。
詳しくは、下記詳細のリンク先をご参照ください。または当店へ直接お問い合わせください。
スタッフ全員移住者なので、引越面での不安など分かち合えるかと思います。
募集概要
企業名
合同会社 te to ba
住所
長崎県五島市富江町富江323-5
アクセス
福江港から車で20分
雇用形態
契約社員(試用期間あり)
アルバイト
募集職種
キッチンスタッフ
ホステルスタッフ
採用人数
各1名
給与
◆キッチンスタッフ
経験・スキルに応じて応相談
◆ホステルスタッフ
経験・スキルに応じて応相談
待遇
福利厚生
・雇用保険
・労働災害保険
・健康保険(キッチンスタッフのみ)
・厚生年金(キッチンスタッフのみ)
・昇給(年1回、技量の上達具合、協調性などを判断して)
勤務時間
キッチンスタッフ 8:00〜17:00(休憩時間1時間)
ホステルスタッフ 11:00〜15:00のうち3〜4時間程度(応相談)
休日
キッチンスタッフ:火曜日・水曜日(時期によって出勤の場合あり)
ホステルスタッフ:応相談
仕事内容
◆キッチンスタッフ
カフェ内での調理・仕込み
パーティー用ケータリング料理の仕込み
必要な買出
メニュー開発
アウトドアウェディング事業の準備
その他、te to ba<手と場>事業に関わること
◆ホステルスタッフ
ホステル内の清掃・ベッドメイキング・洗濯等
時期や希望に応じて、カフェのホール接客等
必要な資格
経験・学歴
◆キッチンスタッフ
飲食店勤務経験者優遇。その他健康以外特になし。
◆ホステルスタッフ
特殊なベッドのベッドメイキングになるため多少体力に自信のある方。
求める人物像
◆キッチンスタッフ
調理に興味があり、様々なことに挑戦する気持ちのある方
◆ホステルスタッフ
様々なことに挑戦する気持ちのある方
募集期間
2022年8月20日〜良い出会いがあるまで
選考プロセス
まずは下記「応募ボタン」よりご応募ください。応募後、応募企業より直接ご連絡させていただきます。お問い合わせの場合も下記の応募ボタンよりお問い合わせください。お電話での直接のお問い合わせはお控え下さい。